定価:3,500円+税
※5個以上お買い上げで10%割引/10個以上で20%割引
監修:知財学習プログラム検討会
ゲームデザイン:橋本高志(社会福祉法人ぷろぼの)
アートディレクション:TANSAN
イラスト:乾泰誠、柴田貴一郎、新見直子、秦美紀子、外尾友樹、森豊和、山﨑智明
制作・発行:一般財団法人たんぽぽの家
※ゲームのデザインには、障害のあるアーティストの表現を社会に発信する「Able Art Company」の登録作品(イラスト)を使用しています。企業やクリエイターとコラボして作品を商品化したり、デザインとして使える仕組みをつくることで、障害のある人のアートを仕事につなげています。
www.ableartcom.jp
まずはプレイヤー(=作者)同士で自己紹介。
「作品カード」を手札と山札に分けて準備しましょう。
発信ボードを囲むように座ったら、プレイヤー同士で顔を合わせ、まずは自己紹介からはじめましょう。そして、「プレイヤーカード」から一人ひとり好きな絵柄を選定。選んだ絵柄は作品に、プレイヤーはその作者となります。作者は各作品の権利を保護しながら、発信の成功を目指してプレイを展開していきます。それぞれの絵柄が描かれた「作品カード」は、山札と手札に分けて準備。仲間の作品に対して尊敬の気持ちを示すリスペクトチップも、各自で手元に持ちましょう。
準備ができたら、誰からはじめるかを相談(じゃんけん?)。
自分の作品=カードをつなげて、場を広げていこう。
準備が整ったら、さっそくプレイ開始! 「作品カード」の山札から1枚引き、手札と照らし合わせて打つ手を考えます。ここで選べる行動は3パターン。カードの絵柄と合致する手札を出す「ハッシン」、カードに自作の絵柄が描かれている場合は、その権利を守るマークを置く「ホゴ」、合致する手札がない場合にカードを1枚切り捨てる「パス」があります。ハッシンしたカードの絵柄が仲間の作品である場合は、リスペクトチップを1つ作者に渡しましょう。行動を終えたら次のプレイヤーに出番を移し、順番に絵柄をつないでいきます。
6方向の各列すべてが2枚以上つながっている。
いずれかの列が5枚以上つながっている。
以上の2つの条件が同時に成り立っていると全員が勝利となります。
山札のなかには、ゲームを邪魔するトラブルカードも。
プレイヤー同士の協力が、ゴールへの近道!
カードのなかには、ゲームを邪魔するトラブルカード(※)も……。「ハッシン」した作品が取り消されたり、作品の類似品が出回ったりするトラブルが発生してしまいます。これらのカードを引いてしまったときは、すぐに仲間に向けて開示しましょう。トラブル回避のカギは、プレイヤーが互いに協力しながら状況を読み取ること。それぞれの手札の種類や「ハッシン」「ホゴ」のタイミングをうかがいながら、一緒にゴールを目指しましょう!
※「オレノン」は「ホゴ」されていないカードを“自分のもの”とし、すべての「ハッシン」を取り消してしまうカード。「ホゴ」されていても、それよりも中心に近いカードが「ホゴ」されていない場合は、一緒に取り除かれてしまいます。また、「パチモン」は作品を無断で使用し、ヒットしている作品の類似品として登場するカードです。列の最後尾の作者が、手札から自作のカードを開示し、権利を主張することで対抗できます。
遊び方ガイド(動画)
〜2017年 | 福祉施設における、アート活動やものづくりの状況と知財に関する課題 |
個人のクリエイターやアート活動を行っている福祉施設などの取り組みの中で、企業やデザイナーとコラボレーションして商品を開発するなど、創作物を活用した知的財産権(以下、知財)に関わるビジネスの現場が生まれています。 また、デジタルファブリケーション(※)を活用する際の創作情報のオープンソース化や二次創作といった、新たな創作物の利用の方法も生まれ、知財に関するより柔軟な理解が求められています。 しかし現状として、クリエイターや福祉施設は知財やその権利に関する専門的な知識を持ち合わせていない場合が多く、契約に際してトラブルが生じたり、そもそも、知財管理や契約などの取り組みに慣れていなかったり、といった課題が見えてきました。
※デジタルファブリケーション
レーザーカッターや3Dプリンタといったデジタル工作機械を用い、プロダクトを制作する技術のこと
2018年4月 | 知財学習プログラムの開発をスタート |
知財学習プログラム検討会メンバー
ファシリテーター
塩瀬隆之(京都大学総合博物館 准教授)
検討委員
小林茂(情報科学芸術大学院大学 教授)
白石晃一(一般財団法人ファブソサエティエクスペリメンツ ファブアカデミーインストラクター)
高島雄一郎(登大路総合法律事務所 弁護士)
橋本高志(社会福祉法人ぷろぼの 京阪奈エリアリーダー)
藤井克英(社会福祉法人わたぼうしの会/Good Job!センター香芝 企画製造ディレクター)
中根伸一(一般財団法人奈良県発明協会 事務局長)
渡瀬聡志(株式会社中川政七商店 商品第三課 課長)
創作物の販売や使用に関わる人たちが、知財について気軽に学ぶことができるアナログゲームの制作を含めた、学習プログラムの開発をスタート。知財保護や運用に関する知識を身につけた人材を育成し、これらの取り組みに、より多様な人たちが参加できるようになる土壌をつくり出すことを目的に知財学習プログラム検討会を発足しました。 知財管理の仕組みが行き届きにくい個人クリエイターが活用するなかで出会う課題、デジタルファブリケーションなど先駆的な創作分野での課題や管理の先行事例、これからものづくりに関わる人材育成を行う教育機関や相談支援窓口など、知財保護や運用についてより多面的な議論を行うため、弁護士、デザイナー、ファブスペース(※)運営者、伝統産業に関わる機会がある企業、障害者福祉施設職員など、多様な立場から知財に関わっているメンバーで構成しました。
※ファブスペース:デジタル工作機械等を、誰でも使用できるように設置しているオープンなスペースのこと。「ファブラボ」、「ファブカフェ」など、さまざまな名称が用いられている
2018年7月〜 | 知財学習プログラム検討会 |
全4回の検討会とワークショップでは、学習カードゲームのあり方の検討や、ハンドブックを含め、学習プログラムのあり方について議論をしました。ゲームを研修に取り入れている他団体を招き、ゲームを使った研修の効果をについて学んだり、学習カードゲームのテストプレイを重ね、方向性を決めていくなど、各専門分野の視点からプロジェクトの組み立てを考えました。また、編集やデザイン、ゲーム制作に関わる人など、関心のある人にも参加してもらい、活発な議論を行いました。
第1回
日時:2018年7月31日(火)
場所:Good Job!センター香芝(奈良県香芝市)
第2回
日時:2018年9月25日(火)
場所:キャンパスプラザ京都 5階 第4演習室(京都府京都市)
第3回
日時:2018年11月5日(月)
場所:情報科学芸術大学院大学[IAMAS]ワークショップ24(岐阜県大垣市)
第4回
日時:2018年12月17日(月)
場所:Good Job!センター香芝(奈良県香芝市)
知的財産権について、もっと知りたい人のために
知的財産権学習 ハンドブック
知財に興味を持ったり、実際に問題に悩んでいたり、あるいはこれから勉強したいという人たちに向けて、本プロジェクトを進める中で積み上げてきたさまざまな知見、現場で試行錯誤する人たちの声を、ハンドブックにまとめました。知財のあるある話から基本情報まで、さまざまな表現を社会に広げていくコミュニケーションの道具として、知財を知って考えるきっかけとなれば幸いです。
もくじ
知財にまつわる、あるある話
表現する/ものをつくるに関わる知財のエピソード
知的財産権のきほんのき
「知財をもっと知りたい!」に応える参考Webサイト&書籍
ほか
知財学習プログラムのご案内
たんぽぽの家では、ここでご紹介している知財学習カードゲームやハンドブックを使って、誰もが知財を気軽に学べる学習プログラムを開発しました。職場や学校、ものづくりの現場などで楽しく学べます。関心のある方はぜひお問い合わせください!
主な対象者:美術大学でアートやデザインを学ぶ人に/障害のある人の表現を社会に発信したい人に/ファブスペースの利用者や運営に関わる人に/民芸品や伝統工芸品のメーカーではたらく人に/……などなど、表現の発信やものづくりにかかわるどんな人にも!
photo: Natsumi Kinugasa
制作クレジット
企画:たんぽぽの家(安部剛、大井卓也、岡部太郎、後安美紀、藤井克英、森下静香)
編集ディレクション&編集:MUESUM(多田智美、永江大)
アートディレクション:原田祐馬(UMA/design farm)
デザイン:西野亮介(UMA/design farm)
1コマ漫画:鈴木裕之